俺の東京(ナビスコカップ決勝・vs浦和)

　後半終了までの数分の間、J2時代の東京が頭の中でずっとプレイバックされてたよ。
東京を初めて観たあの日、水はけの悪い江戸川のピッチでやってた甲府との試合。
そして今、そのチームが日本一をかけて超満員の国立で試合をやってる事が
ホント夢の中にいるような感覚に思えた。

　後半終了、延長戦へ。
勝ちたい、勝ちたいけど選手を休ませてやりたい気持ちの方が強かった。
前半29分にジャーンが退場してそれから約60分もの間、浦和の猛攻を凌いできた。
エメを押さえたモニだけじゃない、10人で。

ジャーンがピッチから去った後の東京は、まさしく「あの頃の東京」。
延長戦を控えたあの時の東京は、中村俊輔に部活サッカーと吐き捨てられた
「あの頃の東京」そのものだった。

　延長戦終了、勝負はPK戦へ。
後半終了時同様、サポーターみんな手をつないで“You'll never walk alone”の大合唱。
この時にはオレももう涙を抑える事は出来なかった。
オレの気持ちとしては、もう十分だった。
それくらい、みんな頑張ってた。
試合に出場してた選手だけじゃなくベンチ入りのメンバーも、ベンチに入れなかったメンバーも、
途中退場したジャーンも･･･。
もうオレの中では十分過ぎるくらい頑張ってくれて言う事はなかった。
そう、優勝はボーナスみたいなものだくらいに思った。
ただなぜか、PK戦となったところで勝利への確信がオレの中にはあった。
10人の相手に散々決定機を外して無得点の浦和が流れをつかめるはずがない。
･･･それが根拠。

 

ルーカスが決めた。
闘莉王が決めた。
ユウタが決めた。
長谷部が決めた。
コンちゃんが決めた。
･･･田中達也が外した･･･よぅし！！
梶山が外してしまう･･･まだドローだよ。
土肥が山田を止めた！！･･･きたきたきたぁ～！！
オレの周りから会話らしい会話が消える･･･加地が決めた。
選手もオレ達もみんな喜んでる。

東京、ナビスコカップ初優勝。

実感わかなかったけど、なんかワケも判らずオレは叫んでた。
隣のサポのあんちゃん、後ろのお姉ちゃん達と抱き合ってた。
その後しばらくは放心しちまった。

･･･とまぁ～こんな感じで！
東京、ナビスコ優勝ですよ！！！
だ～から言ったでしょ、あの組み合わせだったらいけるって！
大口叩いた手前、ちょっとホッとしてます。。。

　それにしてもまさに大観衆だったね！
国立に着いたのが10時くらいだったんだけど、千駄ヶ谷門裏の公園の中から列が
往復してくる状態だったんだよ。
ヘタな代表戦(？)以上の惨状(？？？)だった。

　しかし毎度ながら浦和のサポ、略してクソサポ(略してないって！)は毎度ながらの熱心さ。
あの何割が徹夜したんだろうね？
ただ言える事って、ヤツらは普段の試合のチケット自体がプラチナだから
こういうのは百戦錬磨で慣れてるんだと思うよ。
けっこうな割合で「野宿セット」持ってるんじゃないかな(笑)
ちなみに、下にある写真、クソサポの様子だけど、緩衝地帯ギリギリまで
押し寄せてた状態だったんだ。

　今回とりあえずは(?)日本一になって、これでJの中での東京の地位がさらに
上がるんだろうけど、にわかサポも増えてますますゴール裏の“席獲り合戦”が
し烈になるかもね。
ただでさえ「ゴール裏の雰囲気を味わいたい」ってだけで声も出さずにゴール裏に
陣取ってる輩達が東京にも多いから、それがとにかく気になるよ。

　試合後にアマスタで「優勝報告会」が開かれるって事で行ったんだけど、
もうすごい人だったのなんのって。
1階席ホーム側全部埋まってたよ。
ただ、あの観衆の中で調布周辺住民は何割を占めているんだろうか？
逆に東ガス時代、J2時代からサポートし続けてきた人は何割を占めているんだろうか？
それを考えると、東京がちょっと遠い存在になったようで寂しい気分にもなったかな。
(そんな事言ってもしょうがないんだけど)
そんな想いにふけっている中で報告会は進んでいった。
だけどどうしても腑に落ちない事が･･･それは調布市長と三鷹市長のスピーチ。
おいおい・・・いつから調布と三鷹の
クラブになったんだ？？？
オレなんかはホームグランドも練習場も東京の西側に行っちゃって、
タダでさえ遠い存在になりかけたってのに、輪をかけてそんな演出しやがった！！！
こんな風に思った人ってオレだけかな？
それもあって、締めの“You'll never walk alone”の大合唱前にアマスタを
後にしたのでありました。

　その晩の「報道ステーション」、なぜか主役はレッズ。
おいおい、優勝したのは東京だって！！！
コメンテーターに福田が出てたんだけど、Jリーグ創設からの軌跡を振り返って、
今日の試合結果を伝えるってやつだった。
ナビスコ準優勝でこれだもん、リーグ戦優勝したらどうなる事やら…。

　そんなこんなでこのコラムの通り、最後は少し冷めた気分にさせられた一日でした。
(まだ実感湧かないのかな？？？)

国立霞ヶ丘陸上競技場